それは少し前のこと。
ある日の夕方の病院に向かっている途中、
川原に遺棄されている子猫がいるとの情報あり。
akoさんが先に発見し保護してくれていた子猫達をそのまま車に乗せ、
状態の悪さにドキドキしながら病院へ向かいました。
生後1ヶ月ほどの小さな小さな5匹の子猫は、
風邪をこじらせて目ヤニで目がふさがってオシリは下痢に濡れていました。
その月齢にしてはあまりに軽い、体重200グラム弱しかありませんでした。

検便をしてもらうと、お腹の中はカビの胞子でいっぱいとのこと。
暑い暑い炎天下の川原に捨てられ、
飲むものも食べるものもなく、
落ちていた傷んだ何かに必死に食らいついたのかも…と言われました。
あまりの状況に言葉を失います。
数日は子猫達だけで川原で生き抜いていたのでしょう。
カビがお腹から全部排泄されてしまわないと下痢は治らないかもしれないとのことで、
その日は風邪の治療のため注射を受け、整腸剤をいただいて帰ってきました。
ノミの駆除をしてもらったので、おうちに着いてからお風呂に入り、点滴をしてミルクを飲みました。

なつみ♀

ほのか♀

ゆうか♀

さちの♀

けんけん♂
一番小さなけんけんだけ男の子でした。
イチゴの名前シリーズとなりました。
毎日試行錯誤しましたが、下痢が治まる気配がありませんでした。
ミルクをあげればすぐに下から出てしまうので、いつもの下痢の子対策食を作って飲ませました。
i/d缶を裏ごして、オールフードと生酵素、ブドウ糖のブレンドです。
少しずつ形のあるウンチをしたり、
また水のようになってしまったり、
病院でも複数のお薬をもらい試しては検便し、
まさに試行錯誤の日々でした。
そんなある日、
仕事でトラブルがあり帰宅が遅れてしまった日がありました。
家につくと、なつみが倒れて痙攣を起こしていました。
体に力はなく、瞳孔が完全に開いて意識を失っていました。
慌てて点滴をし、口から糖分を流し込み、酸素室へ入れマッサージを続けました。
2時間後、意識が戻り小さな声でミ~と鳴きました。
なつみは低血糖を起こしていました。
安堵で全身の力が抜ける思いでした…。
目を離したらこの子たちは死んでしまうかも…!
そう考えると怖くてたまりませんでした。
乳飲み子でもないのに、この子達は何も口に入れず三時間以上空くと命の危険があるのです。
8月2日、
少し風邪がぶり返している気配があったので、病院でインターフェロンの注射をしてもらいました。
まだまだ下痢気味ですが、検便はやはり異常なし。
帰宅していつものように特別食を飲ませ、寝かせました。
二時間して、糖分をひとくち摂らせるため様子をのぞきました。
けんけんが横たわり倒れていました。
大慌てで抱き起こそうとしましたが…
けんけんの体はすでに冷たく硬直していました。
ショックで…しばらく動くことが出来ませんでした…。
けんけんの小さな小さな体は、すでに限界を迎えていたのかもしれません。
可愛いけんけんの体が空っぽになってしまいました。
どうしようもありません。
けんけんはずっと、
必死に生きようと頑張りました。
お疲れさまと声をかけ、お別れします。

けんけん、 お疲れさま。
私に出来るのは、
残された4つの命を守れるよう、
これからも全力を尽くすことだけです。
どうか見守ってください。
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